インタビュー

2024年5月3日~5日にポートホールにて実施された、リドラの謎解きライブ「メノウ研究所と反逆の被験者」。
謎解きクリエイター集団のRIDDLERのみなさまに、今回のイベントについてお話をお伺いしました。

  • 松丸亮吾
    松丸亮吾
  • 渡辺一弘
    渡辺一弘
  • 小林海斗
    小林海斗
  • 神谷春希
    神谷春希

PORTHALLでやったら面白そうなこと

PORT HALL(以下 PORT):まずは今回の謎解きライブを実施した感想をお聞かせください。またポートホールで行うことを前提に今回の企画をして頂いたとお聞きしましたが、企画や準備段階でのエピソードも教えてください。

松丸亮吾(以下 松丸):今回のメノウ研究所は、僕がイベントのリーダー・制作指揮を務めていたのですが、胃が痛くない日はないくらいのスケジュール感でした。 まず最初の企画の段階で、ポートホールでやったら面白そうなことって何だろう?他の謎解きイベントでは見たことのない演出って何だろう?というところから、考えをスタートさせました。

運営面に関して一番苦労したのは、実際に会場に入れる人数の調整と、参加してくださるお客様にとってストレスのないオペレーションを考えた点です。

渡辺一弘(以下 渡辺):ポートホールは、ホールの中以外に裏導線などの使える場所がたくさんあるので、そこでの演出をどうするのかも悩みましたね。裏導線は会場に比べて狭い空間なので、一度に多くの人を行かせることはできなくて、必ず待ち時間が発生するけど、なるべくお客様を並ばせたくない。けど個々の裏導線の空間をきちんと味わってほしいなと。

あとは、謎解きの世界と実際の会場の整合性を取るのがめちゃくちゃ大変でした。実際はドアがあってその先に繋がっている通路があるけど、謎解き中は行けないように、その先なんて本当は無いように見せる工夫とかですね。
あとはポートホールは新しい会場で綺麗なので、ここをどうやったら”研究所”っぽく見せられるのかということも考えて、全ての扉に研究所のマークであるクローバーのマークをつけたり、タブレットをつけたりしましたね。

壁一面スクリーンでの演出

PORT:実際に私たちも謎解きに参加させて頂きましたが、今回の謎解きはポートホールでしか出来ない演出だなと思いました。やはり演出面においては、かなりこだわりがありましたか?

小林海斗(以下 小林):ポートホールは壁一面スクリーンという特徴がやはり一番の魅力ですよね。地続きになっているスクリーンだからこそ、その奥に続く空間を作りたいというのが演出を考える上での根底にありました。普通なら映像を投影するためのスクリーンだと思うところを、ちゃんとスクリーンの奥に空間があって、実際にそこにあるんだと思うことによって謎が広がり、解けるようになるという演出です。そのために、スクリーンをガラスに見立てて、その奥に空間を作ることで、向こう側に人がいるんだと思わせたくて、実現できてすごくよかったです。

  • RIDDLERのみなさまにインタビュー
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松丸:謎解きのイベントとかって、実はそういうのってあまりなくて、スクリーンはオープニングとエンディングの映像を映すためのものっていう。
そういうなかで、そこに空間を作って、目の前に向こう側の世界が広がっているという方が、没入感が高まるよねと。この考えが発明だったし、小林の考えた演出はすごいなと思いました。

PORT:お客様が入口から会場に入ってきた瞬間に、空気感がガラッと変わるというか、謎解きをするための気持ちの準備というか、やる気スイッチが入っているというのが印象的でした。それもやはり映像の力が大きいですよね。

松丸:本当にそうですよね。あのサイズのスクリーンだからこそですね。
裏話的なことをいうと、今回あてがきみたいな感じで、ポートホールだったらどういう世界観がよいかという解釈から始まったイベントだったんです。 あんなに個性的で、壁一面スクリーンという空間を一番映えさせるテーマって何だろう?
映像に特徴があるならSFの世界観なら表現しやすいよねとか、新しくて綺麗な会場なので、そこから派生して”衛生的な施設”、”研究所”というテーマが決まって。
ポートホールがきっかけで生み出されたイベントですし、それくらい会場を最大限に生かしたいねとみんなで話し合って作っていきました。

渡辺:けど、もし他の地区で再演をするってなったらどこの会場でやったらいいのっていう悩みもありますよね(笑)

会場全体を使用した世界観の表現

PORT:先ほど裏導線の使用についてのお話がありましたが、ここも含めて考えて頂いたのでしょうか?

渡辺:裏導線があるなら最大限使うほかないですね。ホールの中に参加者が滞留しているのは普通ですけど、そうならないために、他に使える空間はどこだろう?ってなったときに、ホワイエや廊下、トイレ前の通路などが使用できないかと考えていました。
裏導線などがないとお客様的にもストレスだと思うんですよね。

PORT:お客様を動かす必要があると思うってことですよね?

松丸:そうですね。普段入れない部屋に入れるとか、未開の地に行くワクワク感って絶対大事だと思っていて、プレイヤーが努力をして その結果新しい部屋、新しい真実に近づいていくというのを設定する上では大変だけど、今回はその目的は達成できたかなと思います。

ただ、裏導線を通すっていうと、結構認めてくれない会場さんが多いんですよね。見せたくないものや、配線とかもあると思いますし。 けどポートホールは、「全然通しちゃってください!」って感じだったのが、懐が広いなというか、いろんなことに対応できて、使い勝手のよさを感じました。

松丸:今回でもあったんですけど、会場の中に入る前の、会場の外の段階から、「メノウ研究所説明会」っていう貼紙があったと思うんですけど、些細なものですが、会場の外にも設置できるかどうかで、お客さんのマインドセットが全然違うんです。
そういったこだわりがあって引き込まれていくのが没入だと思っているので。 クローバーのマークを扉や壁に貼ってもいいですよとか、そういうのを許してくれる会場も少ないので、そういうこだわりが追及できたのもいいことだし、世界観を表現する上でそういうのが一番好きなこだわりなので、会場に入る前からそういった工夫も実現できたのがよかったです。

  • RIDDLERのみなさまにインタビュー
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PORT:会場側としても、裏導線ってビルの警備員や清掃員の方が頻繁に通る場所なので、その方々とお客様が鉢合わせることで、変に謎だと思われたり、謎のヒントと思われてはいけないと思って、関係各所に事前にお願いをして、ゲームの時間中は通行のないように依頼をしていました。
特に今回の謎解きだと、警備員がきてしまったら、絶対に謎に関係しちゃうものだったので、会場としても、微力ながらご協力が出来たのかなと思いました。

松丸:えーすごい!
それめちゃくちゃありがたくて。警備員の人数とか、謎解きの中で何人いるとかきちんと設定があったので、人数合わなくなっちゃうのですごく大事なことでしたよ!

PORT:関係各所みなさま、前向きに協力してくださいました。
RIDDLERさまの謎解きは今回で2回目でしたので、裏導線を使ってもらうにあたり、事前に備品を移動したり、各所に声掛けをするなど、いろいろと事前に準備することができました。

松丸:そこまで考えてくださる会場は普通ないです!ありがたい~

リアルイベントの魅力とは

PORT:オンラインでのイベントも行われる中で、リアルでイベントをやることについての意義をどのようにお考えですか?メリットやデメリットについてお聞かせください。

松丸:僕が謎解きに求めているのが、仲間とのかけがえのない時間、みたいなのを大切にしていて。一人で謎解きするのももちろん楽しいですが、友達と集まって一緒の時間・一緒の空間で謎に挑んで、「お前天才じゃん!」みたいなハイタッチするような感覚になるのが好きなんです。
お互いに褒めあえる空間、楽しみあえる時間を作り出すという意味で、リアルイベントは絶対にやったほうがいいし、欠かせないものだと思っています。
なので、みんなで同時に楽しむ空間と考えるときに、みんながストレスのない方がいいから空間(会場)選びはめちゃくちゃ大切。
思い出をつくる場所になるので、映像は大きければ大きい方がいいし、動き回る場所は広ければ広いほどいいし、そこで行える演出は派手な方がいいし。
そういう意味でリアルイベントの価値って、時間で言ってしまえば2-3時間だけど、強烈に忘れられない体験になるって言うのがやる意味だと思っています。
デメリットでいうと、人数に限りがあるので、みんながみんなが来れるわけではないところです。今回のメノウ研究所のチケットも、売り切れてしまって来れない人もいたので、それはリアル開催のデメリットですね。

  • RIDDLERのみなさまにインタビュー
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神谷春希:私はオンラインのイベントより、リアルイベントに惹かれるんですよね。やっぱりリアルイベントのいいところは、没入と熱狂がそこにうまれるところじゃないでしょうか。ポートホールは壁一面でのスクリーンの演出がつくれるって意味では、最高の場所じゃないですかね。あそこで起きる熱狂っていうのは他にはないですよね。都内どこ探しても、いや、日本中のどこを探してもあの没入感はないんじゃないかって思うくらい、ポートホールで起きる体験は唯一無二かなと思ってます。
キャパシティの制限があるっていうのがあるのはもちろんありますけど、それ以上のものがリアルイベントにはあるんじゃないかなと思います。

PORT:コロナ禍以降、子供たちが外に出てきたがらないとか、イベントごとに魅力を感じていないとか、参加の仕方がリアルによらなくなってきていますが、私たちはここに人が集まってくれないと仕事にならないので、そこを一生懸命考えているんですけど。
オンラインは、効率的な気もしますが、RIDDLERさんのイベントの当日の様子を見てて、イベントへの没入感もそうですし、そこの熱量って、ポートホールではいろんなイベントをやってますけど、あそこまで参加者と主催者の方々が同じ熱量で盛り上がっているイベントってなかなかないんですよね。私たちはそこに感動してましたし、スタッフのみなさんが楽しそうに自分の仕事をしているランキングがあれば、RIDDLERさんがダントツで一位だと思います。

松丸:僕たちって謎解きが好きで集まっている集団で、かつ呼んでいるスタッフの子たちもバイト募集しているとはいえ、公募してるわけではなく、謎解きが好きな知り合いに声をかけて募集した仲間なので、向いている方向が一緒なんですよね。
仕事として仕方なくとかではなく、RIDDLERがつくる謎解きを私も僕も盛り上げたい、という想いのある恵まれた仲間が集まってくれています。
イベントを愛する仲間だけでやってるから、そのイベントを愛する参加者の方が集まってくれて、次回もまた来たいなと思ってもらえるものが作れていることは、皆の心持がひとつになっているのが大きいと思います。

PORT:そういう想いが合致するようなイベントが増えてくるといいですよね!

松丸:そうですね。今後、別の謎解きの団体がポートホールを使っても、このメノウ研究所を超える演出は絶対に出来ないと思うので、やや二番煎じになるというのは、勝ちの一手ができましたよね。

PORT:ポートホールはリドラさんのホームのような場所なので大丈夫ですよ!(笑)

松丸:じゃあ来年の企画も考えるか~!

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